公募研究募集説明会のお知らせ

公募説明会は終了しました(2024年7月30日)。公募期間終了にともない動画の公開も終了しました(2024年9月19日)。

領域の概要

本研究領域では、複雑物質合成のための新アプローチとして化学構造リプログラミング(SReP) という概念の確立を目指します。SRePを「原子(団)の任意置換・挿入・消去により、骨格構造を後から部分的に編集するための方法論」と定義します。SRePの実現により、従来必要であった煩雑な合成プロセスを繰り返すことなく、多様な化学構造構築を迅速化できるばかりではなく、従来法では構築できない新規な化学構造へのアクセスが可能となることを期待しています。本研究領域では、有機化学・無機化学・高分子化学・超分子化学など対象物質により分断された領域間の相互連携によりSRePのための方法論を開拓・深化させ、「統合物質合成科学」という学理構築へつなげます。

公募する内容、公募研究への期待等

本研究領域では、有機化学(A01)、無機化学(A02)、巨大分子・物質化学(A03)、物理化学(A04)と専門性の異なる研究者間の連携を通じ、後から骨格構造を部分的に編集するための方法論化学構造リプログラミング(SReP)の確立を目指しています。従来の学問領域にとらわれず自由な発想で合成科学分野を再構築するために、多様な背景を持つ公募研究を募集します。各研究項目において期待する公募研究の内容を以下に示します。特にA01-A03においては、それぞれの対象物質のSRePに資する「いかなる合成手法を目指すのか」、「その新規性は何か」が具体的かつ明確な研究提案を期待しています。領域内の研究者との積極的な共同研究を通じ、既存の個人研究の枠組みを超えたブレイクスルーの実現を目指していますので、個人研究の提案に加えて領域内の研究者との具体的な共同研究の可能性についての記述も含めることが強く望まれます。

A01: 有機分子のSReP法の開発を目的とします。分子の骨格構造に対する原子(団)の消去・挿入・置換に基づく骨格編集、骨格の異性化・転位反応、熱力学に支配されないエピメリ化、分子骨格内原子の同位体標識反応など、従来の有機合成では困難な新反応開発に関する提案を歓迎します。均一系触媒、不均一系触媒、光反応、電気化学反応など、SReP法達成のための手段は問いません。

A02: 金属錯体、金属クラスター・ナノ粒子及び酸化物クラスター等の無機物質のSReP法の開発を担います。金属種・幾何配列・核数の精密制御と事後編集という無機物質合成の未解決課題に挑戦する提案を期待します。特にA01班と連携可能な分子化学的アプローチによる無機物質のSReP法開発の提案を歓迎します。

A03: タンパク質・核酸・糖などの生体高分子、合成高分子、配位高分子、超分子、二次元層状物質などの広範な巨大物質群のSReP法の開発を担います。クリック反応に代表される従来法では巨大物質の末端や側鎖の修飾は可能ですが、それらの従来法では達成が困難な巨大物質の骨格構造そのものの部分構造変換に関する提案を歓迎します。

A04: 独自の先端計測・分析、シミュレーションを活用し、A01~A03班のSReP開発を支援・促進します。時分割分光計測(XAFS等)、大規模量子化学計算、高分解能TEM、先端計測(STM等)、情報科学を活用する触媒設計など独自の物理化学的手法を活用することによる複雑物質の構造解析・反応機構の解析に関する提案を歓迎します。

Copyright © Integrated Science of Synthesis by Chemical Structure Reprogramming
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